【この記事の結論】
- 現金で渡されたことだけでは、給与か報酬かは決まりません。最初に受け取り方を確認します(1-1)
- 事業所得として申告する白色申告者にも、記帳と帳簿書類の保存義務があります(1-2)
- 日々の合計額だけを書く簡易な方法はありますが、すべての現金収入を無条件に一括記載できるわけではありません(1-3)
- 明細は、総額・引かれた項目・源泉所得税・差引後の受取額を分けて残します(2-2)
- 店から引かれた源泉所得税は経費ではありません。確定申告で精算する税金です(2-3)
- 客から直接受け取った金銭も、仕事への対価や謝礼なら記録します。仕事と無関係な贈与とは分けて考えます(3-4)
この記事は、店から報酬として手渡しや日払いで受け取る現金を、どう記録するかの記事です。
給与として現金を受け取っている人は、自分で売上として帳簿へ付けるのではなく、給与明細と源泉徴収票を確認します。給与か報酬か分からない人は、記録を始める前に受け取り方を確認してください。
帳簿の保存期間、レシートの保存方法、複式簿記の付け方までは扱いません。何が経費になるかもこの記事では決めません。
記録の付け方に一つだけの正解はないため、ここでは制度上必要な記録と、夜職で後から分からなくなりやすい金額を分けて整理します。
1. 現金で受け取っても記録は必要
1-1. 現金手渡しかどうかと給与・報酬は別の話です
最初に確認するのは、現金か振込かではありません。
確認するのは、受け取っているお金が次のどちらなのかです。
- 給与として支払われている
- 業務委託などの報酬として支払われている
現金手渡しでも給与の場合があります。反対に、銀行振込でも報酬の場合があります。
給与であれば、勤務先が給与明細と源泉徴収票を作成します。自分で日々の給与を事業の売上として帳簿へ付けるものではありません。
この記事で扱うのは、主に報酬として現金を受け取っている人の記録です。
昼職や別の店と掛け持ちしている人は、収入源ごとに給与か報酬かを分けます。掛け持ちの整理は、2か所から収入がある人の確定申告|昼職×夜職・店の掛け持ちで扱っています。
1-2. 事業所得の白色申告にも記帳義務があります
「帳簿は青色申告の人だけが付けるもの」と思われがちですが、そうではありません。
事業所得、不動産所得または山林所得を生ずべき業務を行う白色申告者にも、記帳と帳簿書類の保存が義務づけられています。
所得税の申告が必要ない年であっても、事業所得を生ずべき業務を行っている人は記帳制度の対象です。
一方、夜職の報酬を雑所得として申告する人には、白色申告者の事業所得と同じ記帳義務がそのまま適用されるわけではありません。
ただし、雑所得であっても、収入と必要経費を計算するための記録は必要です。また、前々年の業務に係る雑所得の収入金額が一定額を超える人には、現金や預金の取引に関する書類の保存義務があります。
事業所得か雑所得か分からないから何も記録しない、という順番にはしないでください。
所得区分が決まる前でも、日付、相手、金額、明細を残すことはできます。
白色申告と青色申告の違いは、夜職の白色申告と青色申告で扱っています。
1-3. 日々の合計だけでよい場合には条件があります
帳簿の様式や種類は、一つに決められていません。ノート、表計算ソフト、市販の帳簿など、取引の実態に合う方法で作れます。
白色申告者には、次のような簡易な記帳方法も認められています。
- 少額な現金売上を、日々の合計金額で記載する
- 保存している明細や請求書控などから内訳を確認できる取引を、日々の合計金額で記載する
- 掛売上を入金時に記載し、年末の売掛金残高を別に記載する
ただし、すべての現金収入を、根拠を残さず1日分の合計だけにしてよいわけではありません。
店ごとの明細があり、合計額の内訳を後から確認できる場合は、帳簿を1日1行にまとめやすくなります。
明細がなく、複数の店や複数の受取が混ざっている場合は、受取ごとに記録するほうが安全です。
1-4. 記録がないと収入と経費の両方で困ります
記録がなくて損をするのは経費だけだと考えられがちですが、収入側も同じです。
経費は、何に、いつ、いくら支払ったのかを自分で示せなければ、必要経費として扱う根拠が弱くなります。
一方、収入についても、帳簿がなければ次のことが分からなくなります。
- 年間の総収入はいくらか
- 源泉所得税はいくら引かれたか
- 店から何が差し引かれたか
- 現金と振込を二重に数えていないか
- 年末の未収分が残っていないか
さらに、売上に関する帳簿を提示できなかった場合や、売上の記載が不十分だった場合は、税務調査で確認された申告漏れに対する加算税が重くなることがあります。
何が経費になるかは、夜職の経費はどこまで認められる?で扱っています。

2. 明細から何を記録するか
2-1. 夜職では7項目を残します
国税庁が示す記帳事項の基本は、取引の年月日、相手方、金額などです。
夜職では、差引後の現金だけを残すと内訳が消えるため、次の7項目を残します。
| 項目 | 書く内容 |
|---|---|
| 稼働日・取引日 | 実際に働いた日 |
| 精算日・受取日 | 明細が確定した日、現金を受け取った日 |
| 相手 | 店名、運営会社名、直接受け取った場合は相手を判別できる表記 |
| 内容 | 日払い、報酬、指名、バック、謝礼など |
| 明細上の総額 | 引かれる前に記載されている金額 |
| 引かれた項目 | 源泉所得税、送り代、ヘアメイク代、雑費など |
| 実際の受取額 | 手渡しまたは振込で受け取った金額 |
すべてを一つの欄へ押し込む必要はありません。
最低でも、次の関係が後から確認できる形にします。
明細上の総額 − 引かれた金額 = 実際の受取額
ただし、明細に書かれた「総額」が税務上の収入金額になるか、引かれた項目が必要経費になるかは、明細と契約の内容によって変わります。
この表は税務上の処理を先に決めるためではなく、後から判断する材料を消さないための記録です。
2-2. 差引後の受取額だけを残さない
夜職の明細では、何かが引かれた後の金額だけが手元に来ることがあります。
たとえば、次のような項目です。
- 源泉所得税
- 送り代
- ヘアメイク代
- 写真撮影代
- 衣装代
- 寮費
- 雑費
- 遅刻や欠勤に関する控除
- 店が立て替えた金額の精算
店によって名目も計算方法も違います。
受け取った現金だけを記録すると、後から次の区別ができません。
- 税金として引かれたもの
- 店へ支払った費用
- 報酬そのものが減額されたもの
- 過去の立替金や未収金を精算したもの
そのため、明細は次の3段階で残します。
- 引かれる前の総額
- 引かれた項目ごとの名称と金額
- 差引後に実際に受け取った金額
店が引いたものだから自動的に経費になる、差引後の金額だけが収入になる、と先に決めないことが重要です。
2-3. 源泉所得税は経費ではありません
明細に「源泉」「所得税」「源泉所得税」などの項目がある場合は、ほかの控除と分けて記録します。
源泉所得税は、店へ支払った利用料や手数料ではありません。
報酬を受け取る時点で先に納めた所得税であり、確定申告で年間の税額と精算する金額です。
所得税の額は、必要経費に算入しないと所得税法に定められています。
帳簿では、次を混ぜないようにします。
| 種類 | 例 | 後で確認すること |
|---|---|---|
| 源泉所得税 | 源泉、所得税 | 確定申告で精算する税額 |
| 店から引かれた費用 | 送り代、ヘアメイク代など | 必要経費になるか |
| 報酬の減額 | キャンセル、遅刻等の控除 | そもそもの報酬額がいくらか |
| 過去分の精算 | 立替金、売掛の負担など | 何月・何日の取引に対応するか |
源泉所得税を送り代などと同じ「経費」欄へまとめると、所得と税額の両方が合わなくなります。
2-4. 明細そのものも残します
帳簿へ数字を書き写した後も、元になった明細は残します。
紙の明細なら、受け取った日にスマホで撮影しておくと、紛失しても内容を確認できます。
写真を撮るときは、金額だけではなく次が写るようにします。
- 店名または発行元
- 日付
- 総額
- 控除の内訳
- 源泉所得税
- 差引後の金額
同じ日に複数枚ある場合は、写真のファイル名や保存先で区別します。
「8月5日_店A_日払い」のように、日付と店名が分かれば十分です。
2-5. 現金残高を合わせるなら生活費と分けます
現金出納帳を使う場合は、帳簿上の残高と実際に残っている現金を比べることで、記入漏れを見つけられます。
ただし、仕事の現金と生活費を同じ財布で使っていると、残高は合いません。
現金残高まで管理する場合は、次のどちらかにします。
- 仕事用の封筒や財布を分ける
- 受け取った現金を一度すべて記録し、生活費へ移した額も記録する
現金残高の管理は、現金収入を記録するための必須条件ではありません。
毎日の受取額だけを確実に残すところから始めても構いません。
口座と生活費を分ける考え方は、夜職の3口座管理|税金と保険料を使ってしまう前に分けておくにまとめています。
3. 夜職で記録が崩れやすい場面
3-1. 日払いと手渡し
日払いや当日精算では、紙の明細と現金をその場で渡され、それで終わることがあります。
その日のうちに使ってしまえば、財布の残高から受取額を逆算することもできません。
対処は、帳簿をその場で完成させることではありません。
受け取った日に、明細の写真と受取額だけを残します。
最低限、次の3つがあれば後から整理できます。
- 日付
- 店名
- 受け取った金額
総額と控除の内訳が分かる場合は、同時に写しておきます。
3-2. 売掛・未収・後日の控除
夜職では、明細に次のような項目が出ることがあります。
- 客の売掛
- 未収金
- 店の立替
- 後日の給料からの控除
- 回収後に支払われるバック
ただし、「客の売掛」と書かれていても、その売掛金が店の債権なのか、働く人本人の収入や負担にどう反映されるのかは、店との契約によって違います。
記録するときは、次の日付を分けます。
| 残す日付 | 内容 |
|---|---|
| サービスや取引があった日 | 客が利用した日、売掛が発生した日 |
| 金額が確定した日 | 報酬や本人負担額が明細に載った日 |
| 実際に支払われた日 | 現金や振込で受け取った日 |
| 後から控除された日 | 別日の報酬から差し引かれた日 |
所得税の収入は、原則として現金を受け取った日だけで決まるものではありません。年末までに受け取っていなくても、収入を受け取る権利が確定していれば、その年の収入になることがあります。
一方、青色申告の承認を受けている一定の小規模事業者等には、届出などの条件を満たして現金の出入りを基準に計算する特例もあります。白色申告や雑所得で申告する人が選べる方法ではありません。
そのため、この記事では売掛が何年分の収入になるかを一律に決めません。
まずは、発生・確定・受取・控除の日付を残します。
3-3. 現金で支払ったのにレシートがない
タクシー代、コインロッカー、店内で精算した費用など、現金で支払い、レシートが残らないことがあります。
レシートがない場合は、少なくとも次を記録します。
- 支払日
- 支払先
- 支払内容
- 金額
- 仕事との関係
- レシートがない理由
ただし、自分で作ったメモがあれば必ず経費として認められる、という意味ではありません。
次のような別の記録も探します。
- 予約履歴
- 店とのメッセージ
- 配車アプリや地図の履歴
- 購入履歴
- 写真
- 同じ日の出勤記録
自分のメモは、元の証拠を完全に置き換えるものではなく、支払内容を説明するための補助記録です。

3-4. 客から直接受け取った金銭
店を通さずに、客から現金を受け取ることがあります。
この場合は、店を経由したかどうかではなく、何のために受け取ったかを確認します。
仕事やサービスに関連する対価・謝礼・心付けとして受け取った金銭であれば、収入として記録します。
現金だけでなく、仕事に関連して物や経済的な利益を受け取った場合も、収入金額に含まれることがあります。
一方で、仕事と無関係な個人的な贈与であれば、事業の収入とは別の判断になります。
次のように一律には決められません。
- 客から受け取ったものはすべて売上
- 「プレゼント」と呼べばすべて収入ではない
- 現金なら収入、物なら収入ではない
記録には、金額や品物だけでなく、受け取った理由も残します。
判断が難しい場合は、相手との関係、受け取った理由、仕事とのつながりを説明できる状態にしたうえで、税務署か税理士へ確認してください。
3-5. 返金や訂正は元の記録を消さない
金額の間違い、後日の返金、店による再精算があった場合は、元の記録を削除して新しい数字だけを残さないようにします。
次の二つを残します。
- 最初に記録した金額
- 訂正・返金された日と金額
元の明細と訂正後の明細がある場合は、両方を保存します。
数字を上書きすると、なぜ受取額が変わったのか説明できなくなります。
4. 続けられる記録方法を選ぶ
4-1. 道具より入力する項目を先に決めます
ノート、表計算ソフト、家計簿アプリ、会計ソフトのどれでも、記録を残すことはできます。
先に決めるのは道具ではなく、毎回何を書くかです。
最低限、次の列を作ります。
| 日付 | 店・相手 | 内容 | 明細上の総額 | 源泉所得税 | その他の控除 | 受取額 | 受取方法 | 根拠 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 8月5日 | 店A | 日払い | 明細どおり | 明細どおり | 明細どおり | 実際の受取額 | 現金 | 明細写真 |
具体的な帳簿処理が分からない段階でも、明細どおりに分けておけば、後から修正できます。
最初から勘定科目や複式簿記を完璧にしようとして、金額そのものを記録しない状態が最も困ります。
4-2. 手渡しの現金は自動では入りません
銀行口座やクレジットカードを連携できるサービスでは、入出金データを自動取得できます。
しかし、手渡しで受け取った現金は、口座やカードの取引として発生していません。
そのため、次のどれかが必要です。
- 自分で金額を入力する
- 明細を撮影して取り込む
- 現金を事業用口座へ入金し、元の受取記録と対応させる
口座へ入金しただけでは、入金額が売上そのものなのか、複数日分をまとめたものなのか分かりません。
現金を受け取った日の記録と、銀行へ入金した日の記録は別に残します。
4-3. 当日のメモと週1回の整理に分けます
毎日、完成した帳簿を付ける必要はありません。
続けやすいのは、二段階に分ける方法です。
受け取った日
- 明細を撮影する
- 店名と受取額をメモする
- 現金か振込かを書く
週に1回
- 総額と控除を表へ移す
- 源泉所得税を分ける
- 写真と入力額が合っているか確認する
- 入力していない日がないか出勤履歴と照合する
1か月分を一度に思い出すより、1週間分を明細から写すほうが早く終わります。
4-4. 店ごとに分けてから年間で合算します
掛け持ちしている場合も、確定申告書を店ごとに作るわけではありません。
ただし、最初からすべての店を一つに混ぜると、記録漏れを見つけにくくなります。
帳簿では、次のどちらかで店を判別できるようにします。
- 店ごとにシートやページを分ける
- 一つの表に「店名」の列を作る
年末に店ごとの合計を確認してから、年間の収入を集計します。
5. 過去の現金収入を復元する
5-1. 残っている材料を先に集めます
記録を付けていなかった年は、記憶だけで金額を作る前に、残っている資料を集めます。
- 店から受け取った明細、給与明細、年間集計
- 通帳やネット銀行の入金履歴
- 送金アプリや決済サービスの履歴
- 出勤履歴や予約システムの記録
- 店とのメッセージ、シフト連絡
- カレンダー
- 写真の撮影日
- 交通履歴や位置情報
- 当時使っていたスマホやクラウドのデータ
一つの記録だけで年間収入を出すのではなく、出勤日と入金、明細を照らし合わせます。
5-2. 確認できた額・計算できる額・未確認を分けます
過去分を復元するときは、すべての数字を同じ確度で扱わないようにします。
| 区分 | 状態 | 例 |
|---|---|---|
| 確認できた額 | 明細や入金履歴に金額が残っている | 明細に受取額が記載されている |
| 計算できる額 | 複数の資料から金額を再計算できる | 出勤記録と日ごとの明細が対応する |
| 未確認 | 金額の根拠が見つからない | 出勤した記憶だけが残っている |
未確認の金額を、根拠がある確定額として帳簿へ混ぜないでください。
どうしても資料が揃わない場合に、どのように申告額を整理するかは個別の判断になります。推定額を自分だけで確定させる前に、残っている資料を持って税務署か税理士へ確認します。
過去の分をまとめて申告する場合の進め方は、夜職で無申告だった人が今からやることに書いています。
5-3. 受取日だけで年分を分けない
現金の記録では、実際に受け取った日を残す必要があります。
ただし、確定申告で何年分の収入にするかは、受取日だけでは決まらないことがあります。
原則として、年末までに現金を受け取っていなくても、収入を受け取る権利が確定していれば、その年の収入になります。収入の時期は、取引内容、契約、慣習などから判断されます。
そのため、12月から1月にまたがる報酬は、次の両方を残します。
- いつ働いた分か
- いつ金額が確定し、いつ受け取ったか
単純に「1月に現金を受け取ったから翌年分」とは決めません。
5-4. 帳簿そのものが収入証明になるとは限りません
帳簿を付けていると、正確な確定申告書を作りやすくなります。
その申告をもとに、次の書類が手元に揃います。
- 確定申告書の控え
- 収支内訳書や青色申告決算書
- 所得証明書
- 課税証明書
- 納税証明書
このうち所得証明書と課税証明書は自治体が、納税証明書は税務署が発行します。控えと決算書類は自分の手元に残すものです。
賃貸審査や各種申請で実際に求められるのは、私的に作ったノートや表だけではなく、確定申告書や自治体・税務署が発行する証明書であることが多くなります。
帳簿は収入証明そのものというより、収入証明を作るための土台です。
入居審査で使われる書類は、夜職の入居審査|確定申告の記録が収入証明になるで扱っています。
6. よくある質問
現金で給与を受け取っています。自分で売上帳を付けますか
給与として受け取っているなら、事業の売上としては記録しません。
給与明細を保存し、年明けに給与所得の源泉徴収票を受け取ります(1-1)。
白色申告なら帳簿は要りませんか
事業所得として申告する白色申告者には、記帳と帳簿書類の保存義務があります(1-2)。
雑所得として申告する人は同じ制度を一律に当てはめられませんが、収入と経費を計算するための記録は必要です。
決まった様式の帳簿を買う必要がありますか
ありません。
帳簿の様式や種類は一つに定められていません。取引の実態に合う方法で作ります(1-3)。
1日の合計金額だけ書けばよいですか
少額な現金売上や、保存した明細から内訳を確認できる取引などでは、日々の合計金額による簡易な記帳が認められています。
明細がなく、複数の取引が混ざっている場合まで無条件に一括記載できるわけではありません(1-3)。
手渡しで明細ももらえません
受け取った日のうちに、日付、店名、内容、受取額を記録します。
出勤履歴や店とのメッセージも一緒に残してください(3-1)。
店に引かれた分は経費ですか
店に引かれたという理由だけでは決まりません。
まず、総額、項目名、金額、差引後の受取額を明細どおりに残し、必要経費になるかは別に判断します(2-2)。
源泉所得税も経費に入れますか
入れません。
所得税の額は必要経費に算入しないと定められています。確定申告で年間の所得税と精算する金額なので、送り代などの費用とは分けて記録します(2-3)。
現金で受け取っているので現金主義で計算できますか
現金主義の特例は、青色申告の承認を受けている一定の小規模事業者等が届出をした場合の方法です。白色申告や雑所得で申告する人が選べるものではありません(3-2)。
客から直接もらったお金も書きますか
仕事への対価や謝礼として受け取った金銭であれば記録します。
仕事と無関係な個人的な贈与かどうかは別に判断します(3-4)。
客から品物をもらいました
仕事に関連して受け取った物や経済的利益も、収入に含まれる場合があります。
「現金ではないから記録しなくてよい」とは決めず、品物、受取日、相手、受け取った理由を残してください(3-4)。
売掛が翌年に回収されました
発生した日、報酬が確定した日、実際に受け取った日、後から控除された日をそれぞれ残します。
何年分の収入になるかは、契約や精算の仕組みによって変わるため、一律には決められません(3-2・5-3)。
レシートがない支払いはメモだけで経費になりますか
メモだけで必ず認められるとは限りません。
支払日、相手、内容、金額、仕事との関係を記録し、メッセージや予約履歴など別の資料も残します(3-3)。
家計簿アプリを使えば現金も自動で記録されますか
手渡しの現金は、銀行口座やカードの取引として自動では入りません。
手入力、明細の撮影、事業用口座への入金など、別の作業が必要です(4-2)。
毎日帳簿を完成させるのが続きません
受け取った日は明細の写真と金額だけを残し、週に1回まとめて帳簿へ移します(4-3)。
何年も記録を付けていません
明細、入金履歴、出勤履歴、メッセージなどから復元します。
確認できた額、資料から計算できる額、未確認の額を分けてください(5-1・5-2)。
記録がなくても申告できますか
記録が完全に揃っていなくても、申告準備を始めることはできます。
ただし、収入と経費の根拠が弱くなり、売上帳簿を提示できない場合には加算税が重くなる制度もあります。残っている資料を集めて税務署か税理士へ確認してください(1-4・5章)。
7. まとめ
- 現金手渡しかどうかではなく、給与か報酬かを最初に確認する(1-1)
- 事業所得の白色申告者にも、記帳と帳簿書類の保存義務がある(1-2)
- 日々の合計額による簡易記帳には条件がある(1-3)
- 記録がないと、収入と経費の両方を正しく計算できない(1-4)
- 明細上の総額、引かれた項目、源泉所得税、受取額を分けて残す(2章)
- 源泉所得税は経費ではなく、確定申告で精算する税金(2-3)
- 現金主義の特例は青色申告者に限られる(3-2)
- 売掛や後日の控除は、発生・確定・受取・控除の日付を分ける(3-2)
- レシートがない支払いの自作メモは補助記録であり、それだけで経費になるとは限らない(3-3)
- 客から直接受け取った仕事上の対価や謝礼も記録する(3-4)
- 過去分は、確認できた額・計算できる額・未確認を分けて復元する(5-2)
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本記事は情報提供を目的としたもので、個別の税務判断を保証するものではありません。最終的な判断は税務署または税理士へご確認ください。
この記事の情報について
制度は改正されることがあります。手続きをする時点の内容は、次の一次情報で確認してください。
- 国税庁「No.2080 白色申告者の記帳・帳簿等保存制度」
- 国税庁「個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について」
- 国税庁「帳簿の記帳のしかた(事業所得者用)」
- 国税庁「No.2200 収入金額とその計算」
- 国税庁「現金主義による所得計算の特例を受けるための手続」
- 国税庁「所得税基本通達36-15 経済的利益」
- 国税庁「帳簿の提出がない場合等の加算税の加重措置に関するQ&A」
- 所得税法第45条第1項第2号
最終更新:2026年9月

